Matchmoving と Nodal Pan Shot

こんにちは。
最近まで「史上最大の作戦」と「戦場にかける橋」のテーマ曲が完全にごっちゃになってました、ペリーです。得意げに鼻歌歌って「フンフンフーン♪…でしょ?」と聞いたところ、「それ史上最大の作戦だから」と指摘されて初めて気がつく始末。

こっちが「史上最大の作戦」のテーマで



こっちが「戦場にかける橋」



ね、似てるでしょ?
まあ、同じ楽団が演奏しているのでこんがらがってもしょうがないかなと。

ちなみに好きな映画は?と聞かれたら「コマンドー」と答える事にしています。

ペリー「このショットは月曜までに仕上げると約束したな」
ミッチェル「そうだ、ペリー、は、早くしてくれ」
ペリー「あれは嘘だ」
ミッチェル「エェェェェェェェェェ…」

吹き替えも翻訳もまさに神! そしてあの中毒性は異常w


まあそんなことはさておき、前回までのMatchmoving(マッチムービング)の話で、ひとつ解説し忘れていたことがありました。

ほとんどのマッチムービンのショットは、前回の様な感じで、何ヶ所かトラッキングすれば勝手にカメラの動きを復元してくれるのですが、これが通用しないというか、ちょっとソフト側に指示を出してあげなくてはいけないショットがあります。

それがこんな感じのショット↓



一見すると「今までのと、何が違うの?」って思うのですが、実はこのショット、「カメラがその場から全く動いていない」のです。

写真を撮る際に三脚を使いますよね?
で、その場にカメラを台に固定したまま、上下左右に振って撮影するわけですが、実写撮影の場合、これを専門用語で「Nodal Pan Shot (ノーダル・パン・ショット)」って言います。

実はこの「カメラがその場から動かない」と言うのが、マッチムービングにとってはちょっと厄介な事になります。

Nodal Pan Shot の場合、カメラがその場から動かない訳ですから、当然トラッキングポイントとの相対的な位置も変わらないわけです。
(レンズ端の歪みによる疑似的な距離の差は無視します。)

車や電車に乗っている時、窓の外を見ると、遠くの景色はいつまでも変わらないのに、近くの景色はすごいスピードで通り過ぎていきますよね?

もの凄く大雑把に言えば、あれと同じ原理でマッチムービングのソフトは、各トラッキングポイント前後関係を把握して、そこからどの位のスピートでカメラが動いているかを計算しています。
 (詳しいことはこちら

なので、Nodal Pan Shot のようにカメラと各トラッキングポイントの移動距離差が無い場合、トラッキングポイントの前後関係を計算する事が出来なくなってしまいます。

試しに前のショットをトラッキングしてみます。
キャラを合成するのが堤防の上なので、手前だけトラッキングしてます。
奥の島やテトラポット(?)はあまりに距離が遠くて計算の妨げになるのでトラッキングはしません。



なんか最初のトラッキング画面の色がすごい事になってますが、バグではないので気にしないでください(汗)ボケの多いショットで、ちょっとでもトラッキングの精度を上げるための工夫です。

ちなみに Nodal Pan Shot の場合、自分はPFTrack を使う事がほとんどですと言うか、Matchmover で Nodal Pan Shot ってできるんでしょうか?

トラッキング→Solve Camera までの流れは何時も通りですが、Solve Camera の前に一ヶ所だけ変更してあるパラメターがあります。


先ほども書いたように、Nodal Pan Shot の場合カメラはその場から動きません。
なので、Transition のパラメターをNone に直しておかないと、ソフト側で勝手にカメラ動くものとして計算してしまいます。要注意です。

で、トラッキングしてみたポイントを見てみると…。



はい、物の見事に平面上に並んでしまっています。
前後関係なんてどこ吹く風です。

前回までなら、トラッキングポイントを元にして地面を決めたり、壁を決めたりしていましたが、これでは手の打ちようがないような…。

ただNodal Pan Shot の場合、Matchmovingに関してはこれで正解だったりします。

確かに前後の間隔は全く分かりませんが、カメラの Focal Length と回転は正確に計算されているはずなので、後は手動でパースだけ合わせてあげれば、トラッキングポイントはなくても、おおよその前後関係はつかめるようになります。

それでは論より証拠と言う事で、さっきのMatchmoving のショットを手動でパース合わせし、適当なオブジェクトを置いてみましょう。


とまあこんな感じで、トラッキングポイントが無くても、回転とFocal Length さえしっかりしていれば、ちゃんとマッチムービングが出来たりします。
ただし、どちらかが不正確だと、とたんにシーンが破綻するので注意です(←経験済み)
Focal Length を設定しないでやった結果、Focal Lenght = 12mmって結果が出ました。
12mmって、どんな魚眼レンズ使ったんだよ!?

Matchmoving の話に関してはこんなところでしょうか?

それでは次回もお楽しみにー。

2 コメント :

  • taz0x さんのコメント...

    Focal Lengthと言うのはFilm Backの数値によって大きく左右されるものです。今回のようなショットで12mmという数字が出たということは、Film Backが小さすぎるということになりますね(それとも逆かな?今はちょっと正確に言えませんが)

    おそらくこのショットは40から50mmぐらいですかね、FOVが狭いのが何よりの証拠です。本当に12mm位だったら魚眼レンズ見たく絵が歪んでるはずです。まぁでもこれはNodalでトラックしたゆえにそんなでたらめな数字が出たのかもしれませんね。

    ちなみにこのショットでピント(焦点距離?)が変わっていきますよね?こういう時には意外とZoomとしてSolveすると結構いいマッチムーブがでるかも。

  • ペリー さんのコメント...

    @ taz0x さん
    コメントありがとうございます。

    > Focal Lengthと言うのはFilm Backの数値によって大きく左右されるものです。

    そうだったんですね、知らなかった…〆(.. )カリカリッ!!
    撮影時に使った 60D のFilm Back 値、調べてみます。

    > おそらくこのショットは40から50mmぐらいですかね、

    すごい!大正解です。
    撮影時は Sigma の 50mmで撮ってたのを思い出し、後から Unknown → Known に切り替えてSolveしたら、だいぶエラーの少ないトラッキングになりました。
    最初の Camera Solver で 12mm なんてでたらめな数字が出たのは、ボケが多くて正確なトラッキングができてなかったのと、単に数字を入力し忘れてたからかと(汗

    > こういう時には意外とZoomとしてSolveすると結構いいマッチムーブがでるかも。

    なるほど…コレモメモメモ〆(.. )カリカリッ!!
    PFTrack にZoom って設定があったんですね。ちょっと調べてみます。

    貴重なアドバイスありがとうございました。

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